2016-11-19

その4:木目と加工

チェンバロは、音の出る装置としてだけでなく、装飾を施した視覚的にも美しい存在でもあります。
どのような外装にするか、嬉しく悩む時間もあります。
材料を買いに山縣さんも新木場に同行され、リュートやギターの音楽のリサイタルということで、それらと同じ様に木目の装飾を希望されました。
私は音響的な側面からメープルを使用したかったので、木地仕上げでも美しくなるであろうカーリーメープルを推薦し、了解をいただきました。



ベントサイドを曲げる時に長めの材料を使い、チークにそのまま木目がつながるよう、薄いノコギリを用いて切断しました。
そして、チークとスパインには、ピン板とベリーレールの溝を彫り込みます。
仮組をして確認し、いよいよ次は底板に接着です!

木目の美しさを手の平で感じていると、カナダの厳しい寒さの中、何十年もそびえていた樹木時代を想像してしまいます。
新しい命をちゃんと吹き込めるよう、がんばらねばと、気合いが入ります。

(9/1 加屋野木山)