2016-11-19

その16:張弦

第三回目になる《ひとり琴 》、今回のテーマは「リュート曲の周辺」ということで、金属弦を使わないチェンバロへの挑戦です!
当時も、ガット弦を使用したリュートチェンバロなるものが実在したそうですが平成ジャポンに生きてる者としては、現在の素材で。
いろいろ調べて、様々な太さと素材を集めて、音を鳴らしながら弦を張っていきます。
フロロカーボンやテトロンなどなど…中には、三味線や琴の弦もあり音の輪郭や、隣りの音との繋がりを吟味して、最終的には全て、フロロカーボン100%になりました。

化学素材の弦は、金属弦に比べるとどうしてもエネルギーが小さく、子音も少ないので、音量は豊かになりません。
そして、伸びる伸びる!
弦を張って一週間は伸び続けて、調律ピンに巻き付いた弦は、金属弦の三倍以上。
低音と高音のバランスが思うようにいかないのですが、どこかで着地点を設けなくては終わらない作業。
そんなふうに、二日もかけて、試行錯誤にピリオド。



調律ピンとピン板の穴は、0.1ミリの差があるのですが、そのまま打つとピンはカキンコキンなので、テフロンやタルクの粉を付けます。
そんな難産でしたが、ようやく産声があがりました!

(10/16 加屋野木山)