2016-11-19

その11:レジスター製作

音を出すアクションは大きく二つあり、弦をはじくツメのついたジャックと、そのジャックをガイドするレジスターです。
レジスターは、ジャックより0.1ミリ広い穴を開けて、上部と下部の二列のガイドで、左右前後にブレることなく上下運動を促します。
イタリアンやジャーマンではボックスタイプで、この二列が一体になっており、フレミッシュやフレンチでは二列を別々に取り付けています。

 
 
ボックスタイプの弱点は、ピン板とベリーレールの間にスペーサーが入らず、弦の張力による変形に脆いことです。
一方、上下別々に取り付けるタイプの弱点は、レジスターをスライドさせた時にジャックが斜めになってしまうことです。
ですので私は、この両者の弱点をカバーできる、ハシゴ型のレジスターを作っています。
上部と下部はネジ留めなので、弦を張った後でも取り外しが可能で、後々トラブルが生じても対応出来ます。

大きな木工が終わり、これからはチマチマした作業が続きます。
一列に57本のジャックが付くので、何かヒトツの作業に1分かかると、二列でだいたい2時間ほどかかります。
夏の木工では体力が必要でしたが、アクションや鍵盤作業には視力と耐力が求められます。
だからでしょうか。
費やしてる時間に比例するように、知らぬ間に愛着が湧いてしまいます。

(10/4 加屋野木山)