2016-11-19

その18:最初の終わり

音が出るようになってから、更にこまごまとしたものを作って、ようやく完成です。
譜面台は、左右に動かせて、更に角度が二段階に調節でき、一段鍵盤の場合は手前に来すぎないように。
レジスター切り替えレバーは、数ミリの動きが数倍になるよう支点を決めて、手を傷めないようなツマミを作ります。
ヒザペダルは、運搬を考慮し脱着可能なシステムにして、なおかつヒザの位置に合わせて角度も変えられます。
 


私は、最初のチェンバロから三本脚にしてきました。
最低限の接地によって振動エネルギーの損失を減らし、楽器にネジ込む事で、地震などにもへっちゃらです。
先日山縣さんにも試奏に来ていただき、普通のチェンバロとは異なったタッチと響きを体験してもらって、仕上げの方向について話し合いました。
今日、最終調整をして、最初の終わりです。

楽器には、幾つかの終わりがあります。
昆虫の変態のように、それは成長ともいえます。
リサイタルのチケットは、間も無く完売の気配。
聴きに来てくださる聴衆の皆様の為に、演奏家も楽器屋も、全力で駆け抜けた夏になりました。
11月19日、お会い出来ることを楽しみにしております!と、産まれたての楽器が申しております!
名前は、キタローネチェンバロの「木太郎」君です。

(10/28 加屋野木山)